とうとう来た、待ちに待ったこの日が。集まった観客は約5万人。初ライヴでは破格の集客だ。しかし、それでもこのチケットを手に出来たのは、本当にラッキーな一部のファンだけだろう。
持ち前のパワフルなハイトーンヴォイスは、暮れかけの夏の空高く伸びてゆき、辺り一帯を大黒摩季の色に染めていった。また、曲毎のステージの仕掛けも、ライヴとリンクした巨大スクリーンにCGを駆使した映像、無数の風船や花火など驚きの連続…、夏っぽい曲のアレンジと相まって、気分はハッピーな夏祭りといったところ。オーディエンスは自分なりのノリで、大黒摩季との出会いを楽しんでいる。だが、その瞬間を最も喜んでいたのは大黒本人だろう。彼女の会場に向けられた真っ直ぐな視線と、輝かしくもまぶしい笑顔が何よりもそれをもの語っていた…。
MCから再びヒットチューン、そして、デビュー曲「ストップ・モーション」を感慨一杯に歌い上げる。ダンスビートでノリのよい前半とはうって変わって、中盤はしっとりとしたバラードが続く。アコギのみの曲では、大黒の伸びやかで張りのあるヴォーカルを再認識し、大黒の存在感を十分に堪能できた。
生涯忘れられない1日だったに違いない。超大規模ライヴだけでもかなりのプレッシャーなのに、テレビ中継が入り、テレビ初出演も果たしたからだ。アンコールも兼ねたライヴ中継では、MCで少し照れくさそうな表情を見せながらも、堂々とヒットメドレーを日本全国のブラウン管に届ける大役もこなした。巨大なステージに臆することなく、精一杯歌う彼女の勇姿は、確実に我々の心に感動を残してくれた。そして誰もが、「ライヴが楽しみな女性ヴォーカリスト」の誕生を確信したのだ。また、ライヴ直後には約2年振り、7枚目のフルアルバム「POWER OF DREAMS」もリリースになる。こちらも、大黒のソングライターとしての資質を遺憾なく発揮した作品として、既に評判になっているようだ。秋には、今日の貴重な体験とパワフルなニューアルバムを引っ提げてのツアーも決まり、まさに絶好調の大黒。今後ますます元気一杯の活躍振りで我々を楽しませてくれるに違いない。(KITSU)| 〜メンバーリスト〜 大黒 摩季(Vo) 葉山 たけし(G) 渡辺 直樹(B) 熊谷 徳明(Dr) 醍醐 弘美(Key) 勝田 一樹(Sax) 佐々木 史郎(Tp) 澤野 博敬(Tp) 橋本 佳明(Tb) 沓野 行秀(Per) 小野 かおり(Per) 鈴木 覚(Mani) |