大黒摩季 LIVE NATURE #0“Nice to meet you”

8/1(金) レインボースクエア有明
 とうとう来た、待ちに待ったこの日が。集まった観客は約5万人。初ライヴでは破格の集客だ。しかし、それでもこのチケットを手に出来たのは、本当にラッキーな一部のファンだけだろう。
広大な会場に、巨大ステージ…、オーディエンスの期待はいやがおうにも膨らむ。そして、彼らは意識を一点に傾けて、一人の「シンガー」の登場を待っている。開演を告げるMCに続き、ラテン調のリズムが流れると、カーニバル用の衣装を纏った子供たちが多数現れ、ステージを賑やかに彩る。そして、その後方から、とうとう現れたのだ、大黒摩季が!。瞬く間に、会場は歓声に埋め尽くされ、彼女の第一声が発せられると、歓声は感嘆のどよめきに変わった。なぜなら、とても初ステージとは思えぬ堂々としたヴォーカルで、観客の期待に応えたから…。
 持ち前のパワフルなハイトーンヴォイスは、暮れかけの夏の空高く伸びてゆき、辺り一帯を大黒摩季の色に染めていった。また、曲毎のステージの仕掛けも、ライヴとリンクした巨大スクリーンにCGを駆使した映像、無数の風船や花火など驚きの連続…、夏っぽい曲のアレンジと相まって、気分はハッピーな夏祭りといったところ。オーディエンスは自分なりのノリで、大黒摩季との出会いを楽しんでいる。だが、その瞬間を最も喜んでいたのは大黒本人だろう。彼女の会場に向けられた真っ直ぐな視線と、輝かしくもまぶしい笑顔が何よりもそれをもの語っていた…。
 ひとしきりヒット曲を歌いきってから、「初めまして、大黒摩季です。新人だと思って、精一杯歌います!」と、実に爽やかに挨拶すると、観客も温かい歓声と拍手で応えた。この時、会場はライヴでしか味わえない、親密な一体感に包まれていた。
 MCから再びヒットチューン、そして、デビュー曲「ストップ・モーション」を感慨一杯に歌い上げる。ダンスビートでノリのよい前半とはうって変わって、中盤はしっとりとしたバラードが続く。アコギのみの曲では、大黒の伸びやかで張りのあるヴォーカルを再認識し、大黒の存在感を十分に堪能できた。
 また、後半ではギターリフが印象的なハードナンバーへと上手く移行してゆき、ライヴ構成もじっくり練られたものであることがよく分かる。シングルヒットを何曲も立て続けに披露した後、「最近は、ライヴを考えて眠れなかったけど、今日、皆さんから沢山のパワーをもらうことが出来ました。これからは、今までの分を取り戻す為にも、積極的にライヴをやっていきたいです。」という言葉が印象的だった。
 ところで、この日は大黒摩季にとっては初めて尽くしで、生涯忘れられない1日だったに違いない。超大規模ライヴだけでもかなりのプレッシャーなのに、テレビ中継が入り、テレビ初出演も果たしたからだ。アンコールも兼ねたライヴ中継では、MCで少し照れくさそうな表情を見せながらも、堂々とヒットメドレーを日本全国のブラウン管に届ける大役もこなした。巨大なステージに臆することなく、精一杯歌う彼女の勇姿は、確実に我々の心に感動を残してくれた。そして誰もが、「ライヴが楽しみな女性ヴォーカリスト」の誕生を確信したのだ。また、ライヴ直後には約2年振り、7枚目のフルアルバム「POWER OF DREAMS」もリリースになる。こちらも、大黒のソングライターとしての資質を遺憾なく発揮した作品として、既に評判になっているようだ。秋には、今日の貴重な体験とパワフルなニューアルバムを引っ提げてのツアーも決まり、まさに絶好調の大黒。今後ますます元気一杯の活躍振りで我々を楽しませてくれるに違いない。(KITSU)


〜メンバーリスト〜

大黒 摩季(Vo)

葉山 たけし(G)

渡辺 直樹(B)

熊谷 徳明(Dr)

醍醐 弘美(Key)

勝田 一樹(Sax)

佐々木 史郎(Tp)

澤野 博敬(Tp)

橋本 佳明(Tb)

沓野 行秀(Per)

小野 かおり(Per)

鈴木 覚(Mani)



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